諸悪の根源は政務活動費

富山市議の政務活動費不正が次々と発覚し、辞職議員が10人にも達した。事の発端は、市議報酬を10万円アップし70万円とする条例を可決したこと。市民感覚とずれていると抗議の声が上がり、政務活動費の実体が注目され、不正が次々と明らかになってしまった。領収書の数字の改ざんや領収書の自製など、明らかな犯罪行為だ。しかも、不正の理由が酒代とか遊ぶ金が欲しかったというのだから開いた口が塞がらない。不正をした議員が悪いのは間違いないが、それに票を投じた市民にも責任がある。だが、諸悪の根源は政務活動費にあると思う。市議の報酬は自治体によって若干異なるが、大体市議報酬60万円と政務活動費60万円のダブルインカムだ。政務活動費は議長へ収支報告書の提出の義務はあるが、詳細は決められていない。何に使おうが、本人が政務活動だと言えば済むほどずぼらな代物だ。だが、今回の辞職騒動は、ずぼらを通り越した領収書の改ざん。最早行く所まで行ってしまったようだ。政務活動費は、政務調査費という名前で2000年に地方分権の一貫として制定された。それまで中央で行っていた政務活動を地方に移すため、地方議員に活動費を移すことにした。しかし地方議員が中央と同じように政務活動をする実体はない。要するに地方議員に仕事はないのだ。そこに天から降ったように、何に使っても良い政務活動費が舞い込んできた。仕事も無く、お金が降ってくれば誰だって金銭感覚が麻痺してしまう。石破前地方相は何もやらなかったが、地方分権について見直しする必要があるのは間違いない。