トルコの情報戦

トルコでクーデターが発生したが6時間後には鎮圧されたとのこと。死者290人以上、負傷者1400人の犠牲を出し、反乱勢力6000人超が拘束された。その中には陸軍軍司令部のトップや元航空幕僚長もいるという。クーデターの背景はまだ明らかにされていない。政権側と反乱側のどちらに理があるのかは分からないが、兎に角鎮圧に要する時間が短かったのは驚異的だ。このような異常時は通常は混乱し事態を把握することが困難だ。日本人観光客らは爆発音が鳴り響く空港で、情報も無く不安な夜を過ごしたという。ニュースによると、一時はトルコ軍側が要所を制圧し国民放送で「全権を掌握した」と宣言したとのこと。これに対しエルドアン大統領はスマホのテレビ電話機能を使って、国民に町に出てデモを行うよう呼びかけたとのこと。それに呼応し一般市民がトルコ軍の行く手を阻み、トルコ軍の無力化に成功したようだ。そしてクーデターは失敗に終わった。どちらに理があるか分からないが、大統領のスマホ活用が功を奏したようだ。トルコ軍が全権掌握宣言だけでなく、クーデターの目的、背景、進捗状況、今後の計画などをきめ細かく伝えていれば、国民の反応はどうなっていたのか分からない。クーデターもある意味で情報戦だ。結局情報戦を制した政府側が国民を味方に付け勝利したと言えるのかもしれない。