時代の変曲点

大方の予想に反し、国民投票で英国のEU離脱が決まった。予想とは、一人ひとりが予想したのではなく世論調査会社が予想したもの。そして誰もがその調査結果を信頼したが、元々調査自体が間違っていたということだ。1年前の英国の総選挙の事前調査では二大政党の接戦が予想されていたが、結果は保守党の圧勝。今回も世論調査が間違っていた。予想が外れ想定外の事が起きると混乱は必至だ。この先が読めない。為替は変動し、株式は急落した。もう少し離れた所から客観的に見ると、時代の変曲点にも見える。長く続いた新自由主義の終焉かもしれない。新自由主義により世界的にあらゆる面で格差が拡大した。5%の富める者が90%の富みを保有する歪んだ構造になってしまった。トリクルダウンなどは存在しなかった。一般市民の不平不満は大きい。そして我が身を守るようになる。保護主義の台頭だ。英国のEU離脱は保護主義の典型に見える。米国のトランプ現象も保護主義そのもの。全世界が保護主義の流れに乗り漂流を始めそうだ。今後EUからの離脱が相次ぎEUは崩壊するかもしれない。他国の事には無関心になる。相身互いの互助精神は影を潜めてしまう。英国民が悪い訳ではない。英国民にとって最善の策かもしれないし、地獄を見ることになるかも知れない。いずれにしても時代の変曲点にあることは間違いなさそうだ。