権利と通義

舛添都知事の豪華出張や湯河原別荘通いが内部告発され批判に曝されている。海外出張経費が8回で2億円。確かにかかり過ぎだ。随行職員が多いとのことだが、寝るだけで一泊20万円のスイートルームは常識を外れている。毎週末に公用車を使って湯河原の別荘に行き二日半滞在するという。ハイヤーに換算すると400万円分になるようで、金銭感覚もおかしいし、危機管理意識も欠如しているようだ。出張経費も公用車の使用もルールには則っているとのことなので、犯罪ではないようだが、人間としての品位に欠けている。この種の人間を見ると、Rightの翻訳である「権利」という二文字を思い出す。Rightを「権利」と翻訳したのは、徳川慶喜のブレーンを勤めた西周。この翻訳語は誤訳だと噛みついたのが福沢諭吉。Rightは、個人の好き勝手を認める概念ではなく、誰がみても妥当で正当性のあるものというのが真の意味だ。「権利」と訳してしまうと、個人が自らの利益のために主体となって主張することができる一切の利権という意味になってしまう。だから福沢はRightを「権利」と訳すのは誤りで「通義」と訳した。舛添は誤訳である「権利」を主張しているようだ。でも国際政治学者なのだから、Rightの意味は知っているはずだ。ということは、知識よりも生まれ持った品性が表に出ているということなのかもしれない。