地震考古学的な研究を

今回の熊本地震は震源地が次々と移動し、観測史上例を見ない形だと気象庁は言っている。ところが、今回大きな揺れを引き起こした布田川断層帯の上に位置している西原村には、過去に起きた大地震について書かれた郷土誌があるとのこと。古文書によると、布田川・日奈久断層は1200~1500年頃に活動していたようだ。今回の熊本地震と似たような地震が400年前に起きている。1619年熊本県八代地方で地震が発生。余震が長期間続き大分県も大きく揺れ、また今回と同じように熊本城の石垣も崩れたという。今回の地震は400年前と全く同じではないか。少なくとも地震発生前には、どの地震学者も熊本地震の可能性など指摘していなかった。ところがいざ地震が発生すると、手のひらを返したようにメカニズムを得々としゃべり出す。地震発生当初は、地震無風地帯に大地震が起きたと騒ぎ、長期化すると地震学者が断層帯の上だから起こるべくして起こったと言い、挙句の果ては、中央構造線の延長線上にあるから当然危ない所だと指摘する。地震学者には困ったものだと思う。現在、地震を予測する方法は無い。だが、古文書や地層解析で、何時、何処で、どのような規模の地震が起きたのかは解明出来る。未来は過去の延長線上にある。過去を振り返れば、今後どの程度の対策を打ち、住民はどのような心構えをするべきかが見えてくるはずだ。住民には地震考古学的な研究の方が役に立ちそうだ。