朝改暮変

時の間隔が短くなったような気がする。朝刊に突如「井阪セブンイレブン社長退任提案へ」との記事が載り、午後には鈴木セブン&アイ・ホールディングス会長退任が報道された。朝改暮変。あっと言う間の逆転劇だ。セブンイレブンは5期連続で最高益を更新する見通しで絶好調だ。その絶好調の社長に突然レッドカードが突き付けられた。鈴木会長はまさにセブンイレブンのカリスマだ。井阪社長を退任させ古屋副社長を昇格させる方針だった。ところが、取締役会で過半数の賛成が得られず、本人の突然の辞任になった。井阪は鈴木の子飼いだが、鈴木は井阪を獅子身中の虫と言うくらいだから、相当な確執状態にあったのだろう。今まで自分の意見は100%通してきた鈴木にとって、反対意見が出たのは初めてとのこと。鈴木からみれば「世代が変わった」ということなのかもしれない。鈴木辞任の原因は色々取り沙汰されている。伊藤名誉会長との確執、社外取締役の反対、米投資ファンド、サード・ポイントの要求、鈴木の次男のトップ世襲噂等々。真相は分からないが、58歳の井阪を退任させ66歳の古屋を昇格させるということは、古屋をワンポイントリリーフに使い次男に世襲させることを目論んでいるように映る。だから、伊藤名誉会長も米投資ファンドも、この人事案にノーと言ったのかもしれない。商店ならば兎も角大企業の経営に世襲を入れてはいけない。鈴木もそろそろ潮時のようだ。