欠陥のある損害賠償制度

加害者が被害者に損害賠償金を支払わないケースが多いようだ。と言うよりは、殆んど支払わられていないとのこと。裁判で損害賠償額が決まっても、加害者が支払わなければ10年で時効になってしまう。加害者が支払わない場合、裁判所に差し押さえを申し立てることが出来るがハードルが高い。申し立てるには、被害者側が加害者の住所や財産内容を確認調査する必要がある。極めて非現実的だ。結果として加害者の逃げ得になるようになっている。何故被害者がこれまでしなけばならないのだろうか。犯罪が起きるとマスコミが騒ぎ出し取材攻勢が始まり、加害者は個人保護等の厚遇を受けるが、被害者には何らの保護も気遣いもない。マスコミは被害者には土足で踏み込んでくる。日本には加害者側が大事にされるという極めて歪な文化がある。しかし、海外では事情が違うようだ。被害者を大切にして、損害賠償金を回収する仕組みが整っているとのこと。フランスやデンマークでは、加害者が損害賠償金を支払えば刑の執行を停止したり、支払わなければ刑を重くするなのどの措置を取ることもあるという。カナダやノルウェーでは、損害賠償の支払いが滞ると、国が自動的に差し押さえ手続きに移行する制度が整備されているという。せめてカナダ並みの制度を導入してほしいものだと思う。