ふるさと納税への言いがかり

総務省が全国の自治体に対し、ふるさと納税へのお礼として、お金に換えやすい商品券や転売しやすい家電などを贈らないよう文書で要請した。転売目的や高額な特典目当てでふるさと納税をする人が増えており、自治体を応援するという寄付制度の趣旨に反するからだという。だが少し変だ。この主張は屁理屈で、言いがかりにしか聞こえない。ふるさと納税の魅力は特典が貰えて、かつ納税額の殆んどが税金控除されることだ。しかも、ふるさと納税は、日本で唯一税金の使い道の指定が出来る制度である。ふるさと納税の肝はこの指定制度にある。この指定制度が損なわれるのであれば、本来の趣旨に反すると言えるが、実態はそうではない。言い方を変えれば、国の税金の使い方に疑問を持つ人や故郷を応援したい人たちが、この制度を利用して国の行き届きなさを補完しているとも言える。大いに奨励すべき制度だと思う。但し自治体側もお礼として商品券を贈るのでは、納付された税金が目減りしてしまう。出来れば地元の名産品を贈る方がコストパフォーマンスも良くなるし、宣伝効果で集客も期待出来るようになる。だが各自治体での事情は異なるだろう。それだからこそ、自治体の主体性に任せるべきものだと思う。決して国が上から目線で捻じ曲げるものではないはずだ。