老々介護の予行演習

腰を痛めた。それが老々介護の始まりだった。最近テニスもゴルフも比較的調子が良い。多分股関節を曲げる柔軟体操をしていることがプラスに働いているのだと思う。毎日浴槽の中で、膝を伸ばして手で足先を持ち股関節を軟らかくするポーズをとっている。最初の頃は膝を曲げないと手が届かなかった。そのうち膝を伸ばしても手が届くようになり、今では手の平全体で足裏を押さえるところまで軟らかくなった。ところが、3日ほど前いつもの通り膝を伸ばし足先を手で掴もうとした瞬間に右腰に電気が走ったような違和感を感じた。それ以来下を向く動作が出来なくなった。力の入れ方を間違えると、右腰の筋肉が硬直し動けなくなる。朝ベットから起き上がるのも一苦労だ。右腰の筋肉に力が入らないように、騙しだまししながらやっとの思いで起き上がる。ベットに座り靴下を履こうとしても体を前に倒すことが出来ない。膝を曲げようが足先まで手が届かないのだ。仕方なく、カミサンの手を借りて靴下を履かせて貰った。ところが、カミサンも肩を痛めていて手を上に上げる動作が出来ない。足先に靴下を被せて貰ったところから、何とか自力で靴下を履くことが出来た。我が家はほぼ週一で食料品を買い出しに行く。自分が腰を痛めた為カミサンが一人で買い出しに行き、重いものを持って肩を痛めたようだ。普段は元気でも、一つ躓くとそれが波紋のように連鎖していく。思いがけずに老々介護の大変さを経験した。幸い自分もカミサンも軽症で、回復しつつある。老々介護の世界がすぐそこまで忍び寄っていることを実感した次第。