今アベノミクスの検証を

昨年政治主導で無理やり上げた民間企業のベアも、今年は大幅に縮小する気配だ。ベアで国内消費を増やし景気回復に繋げようとするアベノミクスの目論見の失敗が証明される年になりそうだ。アベノミクスの基本的な考え方は、新自由主義政策のトリクルダウン理論によっている。トリクルダウンとは「したたり落ちる」という意味だ。大企業や富裕層を減税で優遇することで大企業の経済活動を活性化させ、最終的に社会の末端まで富を行き渡すのが狙い。昨年トヨタは大幅アップのベアを実現し下請け企業にはコストダウン要求を控えたものの、下請け企業との給与格差が拡大してしまった。トヨタはこれに懲りて、今年はベアを抑制した。なかなか新自由主義の理論通りに、世の中は動かないのだ。黒田金融バズーカも同じだ。バズーカで円安株高になり最高益を上げた企業が続出したが、賃金は上がらなかった。企業はその利益をM&Aや自社株買いに費やし、従業員には回さなかったからだ。結局アベノミクスは経済の底上げを出来ずに、いたずらに格差を拡大させただけのようだ。衆参選挙の前に、徹底的にアベノミクスを検証する必要がありそうだ。