ロシウムではなくジャポニウム

理化学研究所が合成した原子番号113番の元素が国際的に新元素と認定される見通しになったとのこと。その名は「ジャポニウム」。勿論日本初の新元素だ。自然界には92番のウランより重い元素は存在していない。それ以降人工的に合成された元素が新元素として名を馳せている。自分が学生だった半世紀前は102番目のノーベリウムが最後の元素だった。ノーベル賞創始者のアルフレッド・ノーベルからこの名が付けられたことで有名だ。もう、それから11個も新元素が命名されたことになる。学生時代は、その102個の元素名を全て暗記出来た。だが、今はせいぜい初めの10個位しか諳んじられない。記憶力が10分の1に低下してしまったという証拠なのかもしれない。現在、元素は未確定を含め118番まで見つかっている。新元素は発見しても第三者が実験的に確認しなければ認定はされない。113番目のジャポニウムは、10年以上前に森田九州大教授が、亜鉛をビスマスに高速で衝突させ、核融合反応により生成させた。でも元素発見の面白さには裏話がある。森田九州大教授の実験の約半年前に、ロシアの研究所が別の方法で成功したと発表していたのだが、裏付けが不十分と判断され却下されたようだ。新元素も実験的証明がしっかりしていなければ認知されないという訳だ。このちょっとした差がロシアのロシウム(?)ではなくジャポンのジャポニウムになったという次第。何事も詰めが肝心のようだ。