デュポン、ダウ、モンサント

ダウとデュポンが合併すると発表した。世界的な大手化学会社同士が合併するのは珍しい。両社とも現在も高収益会社だが、将来を見越してのことだという。両社とも農薬事業が弱く合併で立て直しをはかるようだ。合併後は、トラスト逃れのため農業、特殊化学、プラスチックの3部門に分割する予定とのこと。化学産業は規模拡大のメリットが大きいので、この合併は成功しそうな予感がする。自分は今から46年前に旭化成に入社し研究所に配属された。当時の旭化成は二流の化学会社だった。方や米国のデュポン、ダウ、モンサントは化学事業の先端を走っており、国内の化学会社は提携子会社を作り技術導入を図っていた。東レはデュポンと、旭化成はダウと、三菱化成はモンサントという具合だ。当時の研究テーマはデュポンの後追いが多かった。テーマ提案する時に、デュポンもやっていると言えば、ゴーサインが出たものだ。あれから40年以上も経った。そのデュポンとダウが合併する時代になったのかと思うと感慨深いものがある。一方モンサントは遺伝子組み換え農作物に特化している。遺伝子組み換え農作物を摂取している地方にガンが多発しているが、モンサントが力尽くでその情報を抑え込んでいるという。あの化学御三家も、今はデュポンとダウは上向きに、モンサントは下向きに力が働いている。斯くして、嘗ての化学御三家の社名は消滅することになりそうだ。