才色兼備な料理

ぐるなび総研が独自に選んだ年間で話題となった料理「今年の一皿2015年」が発表された。流行または話題となったことに加え、社会の動きと関係が深く、世相を反映しており、さらに食文化の記録として後世に受け継ぐ価値があることを基準に選定したという。今年の一皿は「おにぎらず」だった。「おにぎらず」という言葉は聞いた事はある。テレビで見たこともある。しかし、実際に実物を見たこともないし、勿論食べたこともない。週刊誌のコミックに「握らずに出来るおにぎり」として相当昔に掲載されたが、今年になって大ブレークしたようだ。海苔の上にご飯を敷き、その上に具材を乗せて海苔の四隅を中心に合わせて包み、半分に切ったもの。「おにぎらず」は、家庭料理としてだけではなく、外食産業でもメニューを広げ、海苔の拡販に繋がるだけでなく、専用機器まで現れたそうだ。何より、日本人の米離れを止めるきっかけにもなるし、簡単で、美しく、衛生的でかつ自由な発想を楽しめる。今どき珍しい才色兼備な料理と言えそうだ。「おにぎらず」以外にノミネートされたのは、スーパーフード、なまずの蒲焼き、のどぐろ、クラフトビール、ジャパニーズウイスキーとのこと。しかし、自分は、おにぎらずを始め他のノミネート料理も、食べたことも飲んだこともない。今年1年また置いて行かれたのかと少し寂びしさを感じる。だが挽回するために来年中には「今年の一皿2015年」を経験したいものだと思う。最近世の中に1周遅れになってきたような気がする。気持ちだけの問題なのだろうか。