明けの明星、宵の明星

金星探査機「あかつき」が、5年ぶりに金星を回る軌道への投入に再挑戦した。この5年間に太陽の周りを9周しながら再挑戦のタイミングを待っていたとのこと。5年前に主エンジンが故障し使えないため、今回は推力の弱い姿勢制御エンジン4基を使ったようだ。本来は1秒しか噴射しないエンジンを20分間逆噴射して軌道を変えた。成功したかどうかは9日に判明するという。こう書くと単にタイミングを待っていただけのように聞こえるが、その裏には女性研究者の並々ならぬ執念があったようだ。当初の検討ではどんなタイミングで軌道に入れてもすぐに金星に落下してしまう結果しか得られなかったが、寝ても覚めても軌道を考え2年半かけて答えを見つけ出したとのこと。是非とも成功してほしいものだと思う。話は変わるが、今回の「あかつき」騒動で、金星の謎を知ることが出来た。以前から金星は、明けの明星、宵の明星と言われているように、何故早朝と夕方にしか見えないのだろうかと不思議に思っていた。日経土曜版が分かり易く説明してくれた。答えは、金星は地球の内側の軌道を回っているから。地球から金星を見ると、昼間は月に例えれば新月と満月を繰り返しているが、太陽光が明るいため見ることは出来ない。夜間の金星は地球の裏側にあるから見ることは出来ない。早朝と夕方は空がうす暗いので、その時だけ見えるようになる。言われてみれば当たり前だが、長年の疑問が解決しお蔭でスッキリとした。