米U40が主役

「米U40が主役」というタイトル記事を見て、どのようなスポーツなのだろうかと不思議に思った。U18ならば、18歳以下の野球やサッカーの試合だ。U23と言えば、五輪サッカー選手の年齢制限だ。不思議な気持ちで記事を読むと「米U40」とは、米国における高額寄付者の年齢とのこと。フェイスブックの31歳のザッカーバーグCEOが、保有する同社株の99%を段階的に寄付すると発表した。総額は何と5兆5千億円に相当するという。欧米では富裕層が慈善活動をする慣習がある。今までは大金持ちになった70歳代が、神の救いを求めてかどうかは知らないが、寄付することが多かった。だが最近は、30代のニューリッチが高額寄付の主役になりつつあるようだ。ニューリッチにとって、教育や医療、環境などは問題が大き過ぎて老後まで放って置けないと考えているようだ。罪滅ぼしの慈善事業ではなく、積極的に社会問題に取り組んでいこうという表れだ。なんとも頼もしい限りだ。一方日本では、寄付するという文化は芽生えていない。年末にタイガーマスクの伊達直人なる架空名義の人物が恵まれない子供たちにランドセルをプレゼントし、それが元でタイガーマスク運動として定着している。心温まるニュースだと思う。日本には富裕層について聞くに堪えない酷い話もあった。大昭和製紙の故斉藤元社長は、自分が死んだら100億円超で購入したゴッホの作品を棺桶に入れてくれと発言し袋叩きになったことがあった。日本人は、身近な問題には繊細だが、社会的な大問題には疎い。社会的な大問題は、自分ではなくお上がやるものと思い違いをしている。ザッカーバーグを話題に載せて目覚めさせる努力が必要だ。