一人っ子政策が二人っ子に

中国が一人っ子政策を廃止し二人っ子政策に変えるという。中国はあと20年もすると、労働者が6千7百万人減り、高齢者は2億人に倍増する。1人当たりのGDPは日本の1/10で未だに新興国だが、既に日本と同様に高齢化が始まっている。極めて歪な人口構成になっているためだ。如何にも共産党独裁国家だ。子供の数までコントロールする。人口こそ政治力とする毛沢東が進めた多産化政策が行き過ぎ人口爆発したため、1980年に鄧小平が一人っ子政策を導入した。この政策の狙いは、爆発的に増える人口を制御し、生活水準の向上を図ること。目標は概ね達成したようだが、人権の侵害が指摘され、戸籍外の子供が増えるなど副作用が酷かった。現在は急激な物価の上昇で生活費や教育費が高騰している。生活は決して楽ではない。このような状況で二人っ子政策が成功するのだろうか。極めて疑問だ。一人っ子政策を二人っ子政策に変えると、恰も国民に対し規制を緩和したかのような気持ちになる。だがそうではない。二人っ子も規制そのものなのだから。あと数年もすると二人っ子政策が上手くいかないことが分かり、第2子を産まない者には罰や罰金が科されるようになるかもしれない。子供の数は当人の事情に任せるべきだ。一人っ子政策も二人っ子政策も、中国近代史における紛れもない失政の一つに数えられるに違いない。