赤身肉は発がん性物質か

WHOの専門組織である国際ガン研究機関が、加工肉と赤身肉を食べるとガンを発症し易くなると発表した。サラミやベーコンのガン発症危険性は、喫煙やアスベストと同じ最も高い水準だと認定している。赤身肉は「恐らく発がん性がある」というレベルという。この研究には、10カ国から22人の研究者が参加し、800本を超える論文を精査した結果とのこと。国際ガン研究機関は発がん性物質の評価機関として定評があると言われているようだ。果たして定評通りなのだろうか。世界のガンによる年間の死者は820万人いるが、そのうち3万4千人は加工肉の摂取量が多い食生活に起因するとWHOは推計している。ガン全体に占める割合は0.4%だからマイナーとも言えるが、3万4千人と聞くと多いようにも思えてくる。ハムやソーセージには発色剤、リン酸塩、結着剤、保存料、酸化防止剤、合成着色料、化学調味料などが使われている。毎日食べるのは止めた方が賢いと思う。赤身肉も毎日多量に食べれば体に良い筈はない。どんな食べ物でも度を超せば体に悪い事は間違いない。赤身肉はその程度の話だと思う。さて国際ガン研究機関は定評通りと言えるのだろうか。加工肉を指摘する所までは納得するが、赤身肉に至っては本来のガン防止の理念から逸脱してしまっているとしか思えない。発がん性物質についての警鐘を鳴らすのが目的であれば、発がん危険度の高い順に研究を進めた方が効果が大きい。無駄な研究が、結果として本来救えたガン患者を増やしていると認識すべきだと思う。