大活躍のミュー粒子

ミュー粒子が大活躍している。ミュー粒子は、宇宙から降り注ぐ素粒子の一種で、物質の透過性に優れている。物質を透過する際、物質の密度や透過距離に応じて一部が吸収されるため、原子核乾板を使いX線のような透過画像を得ることが出来るようだ。今年の春に東電がミュー粒子で福島原発原子炉の炉心内部の核燃料が溶け落ちてしまっていることを初めて実測し有名になった。また桜島内部の火道やマグマ溜りがどの辺りにあるのかを捉えることに成功しており、噴火のメカニズムが明らかになるかもしれない。更にエジプトではピラミッドの内部をミュー粒子で調査すると発表した。ひょっとするとピラミッド内部に今まで未知の部屋を発見するに至るかもしれない。ミュー粒子は電子とニュートリノに崩壊する。ニュートリノと言えば、今年梶田教授がノーベル賞を受賞したことでも有名だ。梶田教授は「何に役立つか分からない基礎研究だ」と言っていた。多分ミュー粒子も発見された当時は、何の役にも立たない素粒子と見做されていたのだろう。ところが今は岩石をも透かして見ることが出来る強力な武器に変身している。科学の基礎研究、畏るべし。