TPP騒ぎ

ヒラリー・クリントンがTPPを支持しないと表明した。大統領選の党指名争いの支持率低下を食い止めるため、ついに賛成から反対に宗旨替えをした。これで民主党はTPP反対派が主流になり、共和党は元々反対だから、米国議会でTPPは批准されないことが確実になった。日本のマスコミは連日TPPでどう変わるのかと騒いでいるが、一体何を考えているのだろうかと思う。もし騒いで囃し立てなければ、政府から虐められるからなのだろう。マスコミは本来の使命を放棄してしまったようだ。永きに亘ったTPP交渉の最終場面でフロマン米国代表がリーダーシップを発揮しなかった理由が良く分かる。閣僚会合で大筋合意しても、喜ぶのはオバマ大統領だけで、議会では否決され成立しないことが分かっていたからだろう。以前にも同じような事があった。COP3京都議定書だ。米国のゴア副大統領は、議会では否決されることを承知の上で議定書にサインした。日本は米国がサインするのならばと、出来もしない高い目標に合意した。米国の状況を見抜けなかった日本も頓馬な話だが、騙したゴアは役者が一枚も二枚も上だったようだ。ヒラリーもゴアも目標有りきで手段を択ばない。それに較べれば正直者のフロマンが可愛く見えるのは自分だけなのだろうか。