TSUTAYA図書館の是非

小牧市のTSUTAYA図書館建設計画に対し、住民が投票でノーを突きつけた。反対が3万2千票で、賛成が2万5千票だが、小牧市の人口は約14万人だから、全市民で見れば反対23%、賛成18%、棄権59%となる。住民投票だから市議会のような強制力はない。概ね市民は図書館には余り興味はないが、作らない方が良いかもしれないといったところだろう。人口14万人の街に50億円の図書館は不釣り合いだから自分も止めた方が良いと思う。TSUTAYA図書館は佐賀県武雄市が有名だ。代官山蔦屋書店のコンセプトを導入した結果、一躍脚光を浴び来館数を大幅に伸ばし、公立図書館の再生モデルと囃された。ところが貴重な蔵書が廃棄され、役にも立たない本が増えた為、いまTSUTAYA図書館の経営そのものが問題視されている。海老名市のTSUTAYA図書館でもタイ風俗店ガイドが紛れ込んだと言って問題になっている。お上はハコモノ行政が好きだ。ハコモノへの風当たりが強くなり図書館作りにシフトした感がある。小牧市の50億円図書館はその典型に違いない。しかし数億円規模の図書館でコミュニティなどの多機能を有するものであれば、今後地域の活動拠点となるので建設を進めた方が良いと思う。TSUTAYA図書館を成功と見るか失敗と見るか。自分は成功だと思っている。ただ一時的に運営や経営が下手なだけだと思う。折角人の集まる施設を作りながら、本の少しの過ちを針小棒大に過大評価して、公営図書館の民営化を妨げる行為は愚かに見える。日本には潔癖症の正義の人が多過ぎると思う。