成果も内容もない首脳会議

習近平主席が訪米しオバマ大統領との会談が始まった。ニュースによると、メインは南シナ海の領有権問題とサイバー攻撃疑惑。南シナ海については、中国が東南アジア諸国と問題を起こしながら着々と埋立てして軍事拠点を築いてきた事実は誰でも知っている。既に滑走路も港も完成した今になって、オバマが問題視する意図は何なのだろうか。もしオバマが南シナ海の領有権を本当に問題視していたのであれば、中国が着手した時に強烈な行動をとっていたはずだ。結局この問題は互いに自説を主張しただけで物別れに終わり、会談する価値もなかった。米国が中国政府にサイバー攻撃をかけているのは自明の事実だ。一方中国がサイバー攻撃で米国の民間企業の秘密を盗んでいるのも事実。互いに益になると思われるデータを盗んでいる。謂わば米国も中国も盗人なのだ。その盗人同士が互いにサイバー攻撃はしていないと否定しながら、サイバー攻撃の相互禁止を約束する構図は奇妙奇天烈に映る。今後も相互禁止が守られるはずはない。笑顔で挨拶を交わしながら足を蹴り合う構図は変わり様もない。何の為の首脳会議だったのだろうかと残念に思う。習近平が購入したボーイング300機は単なる手土産ではないだろう。爆買いの見返りは何だったのだろうか。会談が終わりその見返りが見えてきた。習近平が「南シナ海は中国古来の領有だ」と米国で発言出来た見返りに違いない。世界的見地からすると、成果も内容も無い米中首脳会議であったと思う。