ドライが生きるか

サントリービールがアサヒビールに挑戦状を叩きつけた。とは言ってもCMの中での話だが。サントリーがザ・モルツを発売するに当たって、アサヒのスーパードライを意識したCMを今日から流し始めた。CMの最後に「ドライに生きて楽しいか」の文字が現れる。スーパードライの売りは辛口でキレだが、ザ・モルツはコクやうまみだと、違いを際立たせようという戦術のようだ。ビールの各社シェアは、アサヒ5割、キリン3割弱、サッポロとサントリーが各1割。サントリーはシェア2割を目指すと言う。アサヒは「ドライプレミアム」を刷新し、キリンは「一番搾り」の販売促進に乗り出した。最近の家飲みは発泡酒と第3のビールにすっかり置き換わったというのに、何故いまビールに力をいれるのだろうと不思議に思った。何のことは無い。来年にも実施される酒税改正では、発泡酒と第3のビールの増税とビールの減税が取り沙汰されている。どうやら、それを見越した前哨戦のようだ。でも、宣伝効果はあるのだろうか。サントリーは、若者のビール離れの背景には人との繋がりがドライになったためと解析し、ドライは止めて皆で仲良くビールを飲むことを狙っているとのこと。だが、サントリーが「ドライに生きて楽しいか」と宣伝しても、愛飲家には「ドライ」というイメージしか残らない。結果としてサントリーはドライの宣伝をしただけと思えてならない。果たしてサントリーは結果を出せるのだろうか。