新国立競技場計画の落とし所

白紙撤回したものの新国立競技場の新整備計画が迷走している。ヤフーの意識調査には25万件もの意見が寄せられ、維持管理の容易さが43%を占めた。サッカー協会はW杯決勝の条件である8万人規模を要求し、ラグビーはトラックを無くした球技専用のスタジアムを望み、陸上競技は国際大会が開催出来るようサブトラックの常設を求めている。更に金を稼げるイベントには屋根が必要だと言い、政府は五輪後民営化すると百家争鳴状態だ。これら全ての条件を満たしたものが、先の廃案になった計画だった。では何故今更幅広く意見を聞いているのだろうか。意見は聞くが実現は不可能であることを前提にしている。簡単に言えばガス抜きと言える。では拡散してしまった意見を如何に収束させるのだろうか。答えは自ずから一つしかない。壊してしまった旧国立競技場と同じ機能を持った新国立競技場を作ることだ。これこそが全ての人が渋々認める最大公約数なのだから。では何故旧国立競技場を壊してしまったのだろうか。古くなったとは言え耐震補強と若干の機能追加で五輪には十分使えたはずだ。稚拙としか言いようがない。いや浪費とも言えるし、無謀とも、無責任とも言える。悲しいことに、今は拙速が求められている。