医者の不勉強

認知症が治る薬があるらしい。プラズマローゲンという、人や動物の組織に存在するリン脂質の一種。ホタテ由来のプラズマローゲンを摂取する大規模臨床試験が行われており、驚異的な結果が出ているようだ。服用1か月で試験参加者の60%に顕著な改善がみられたとのこと。長年連れ添った妻を認識できない人が、妻と認識出来るようになったり、人や虫の幻が見える障害も殆んど無くなったとのこと。プラズマローゲンが効く理由は、アミロイドβというたんぱく質の蓄積を防ぐことと、加齢とともに年々減っていく脳の神経細胞を新生することと考えられているようだ。そのためプラズマローゲンは認知症だけでなく、多くの脳機能障害を改善することが期待出来るとのことだから、是非とも研究を進めてもらいたいと思う。一方で認知症患者を抱えている家族にとっての大きな問題は、記憶障害ではなく徘徊や凶暴化だという。日本では、認知症と診断されると安易に記憶障害を改善する薬が処方されるケースが多く、その薬により増々凶暴化する例が多いとの記事を読んだことがある。認知症を熟知していない医者が多いのが問題らしい。薬が進化しても医者が不勉強では、良薬が毒薬になってしまう。医者の不養生も困りものだが、医者の不勉強はもっと困りものだ。