大山鳴動鼠一匹の次

戦後70年の首相談話とは一体何だったのだろうかと思う。極めて抒情的な散文で、玉虫色の内容なのでどの様な意味にもとることが出来る。主張しているようで、主張している事が具体的に分からない。会社の発表会であれば、落第レベルでエライさんからドヤし付けられること間違いなし。学校の弁論大会だとしても、言葉の羅列だけなので、聞く人の胸を打つことはなく入賞は無理。持論の「謝罪外交からの脱却」は入れず、頑なに入れないと主張していた「おわび」は一応形だけは入れた。一体誰の談話なのだろうと疑ってしまう。主義主張もなく、美辞麗句を並べただけの談話などする意義は全くない。21世紀構想懇談会で素案を作成した人達は、相当な虚しさを感じているに違いない。もっとも、こんな懇談会を真面に受けた人の見識にも問題はあるのだが。安倍は念願の安保法案の成立が確実になり、タカ派のイメージを薄めるために、談話の内容をマイルドに変更したのだろうと思う。そう考えると、談話の内容が腑に落ちる。という事は、今後タカ派が増々勢力を増すということだ。安倍の言葉はいつも曖昧だ。その曖昧さを明確にさせることこそメディアの責務だと思う。曖昧さが日本を迷路に引き込もうとしている。