情報流出の功罪

機密情報を暴露するということは、全面的に悪だとは言えないかもしれない。一昨年前にCIA・NSAの情報収集を告発したスノーデンによって、米国のえげつない情報活動が暴露されNSAの活動が一部制約されるようになった。少なくとも米国の同盟国での諜報活動は下火になりつつあるようだ。スノーデンは米国から見れば裏切り者だが、世界の国々からは感謝されノーベル賞に値すると言う国まである。一方中国では、中国版スノーデンが現れたようだ。胡錦濤前国家主席の最側近で昨年失脚逮捕された大物政治家の令計画の実弟が米国に亡命したとのこと。令計画は胡錦濤時代に日本の官房長官のような立場で長年共産党の機密情報を管理していた。令計画は逮捕される前に、弟の令完成に共産党政権を揺るがす国家機密数千点を託し、令完成はそれを持って米国に亡命。現在、中国は身柄引き渡しを求め、米国は態度を保留中とのこと。令完成は一族に重い判決が下れば情報を公開すると言っているようだ。もし公開されれば共産党の機密や指導者の海外不正蓄財が暴露され、蜂の巣を突いたような騒ぎになりそうだ。それにしても令兄弟の名付けはユニークだ。5人兄弟で、上から路線、政策、方針、計画、完成という名前とのこと。もし6番目の子供が生まれていたら何と名付けたのだろうか想像してみた。多分「破壊」だ。まさに時代はスクラップビルトの繰り返しなのだから。