条例破りの知事の行く末

埼玉県知事選で上田現知事が、自身が定めた多選自粛条例を破って出馬し当選した。投票率は27%で現知事の得票率は59%だから、埼玉県の有権者の15%が四選を支持したことになる。埼玉県民は何故知事選に無関心でいられるのだろうか、理解に苦しむ。多選自粛条例とは、多選を禁止したものではなく努力規定だから、この条例を破っても法律違反という訳ではない。だが、現知事が自ら三選までと定めた理由は、土屋元知事の悪しき長期政権による腐敗が酷かったからだと記憶している。土屋は参議院議長から埼玉県知事になった変わり種の大物政治家だったから、良い事も悪い事も沢山やった。ダサイタマを彩の国にイメージチェンジ、埼玉スタジアムを整備し日韓W杯の開催誘致成功などの成果はあるが、一方で放漫な財政運営で県の財政状況を最悪にしてしまった。特に晩年は家族絡みの悪行が有名だ。妻や娘らが頻繁に知事室に出入り、県職員に直接指示をだすなどやりたい放題だった。日本さくらの会理事の品子は、越生の梅林を桜に変えようとしたし、新しいダムの命名には桃子の名をとり西秩父桃湖と名付けたという。当時、県政私物化の象徴的事例として報道を賑わさせていた。ヒトは長期政権に就き続けると、傲慢になり内部から腐るものだ。上田知事は、あと4年間如何なる防腐処理を施すのだろうか。