所変われば品代わる

昨年は70年ぶりにデング熱が発生して大騒ぎになった。都は代々木公園を中心にボウフラが発生しないように、水たまりの解消に努めているようだ。デング熱を媒介する蚊はヤブカのヒトスジシマカ。勿論ヒトスジシマカを撲滅することが一番だが、難しい。となれば刺されないように防御するしかない。刺されないようにするには、蚊の目は白黒を判断し暗い色を好むので白い服を着ること、ヤブカの活動時間である夕暮れの数時間は外に出ないこと、エッセンシャルオイルのシトロネラをスプレーすること等々あるようだ。デング熱の感染者数は、1964年の東京五輪の頃はほぼゼロだったが、年々増え今は250万人に達している。中でも断トツはリオ五輪が開かれるブラジルで約50万人に達している。その後にインドネシア、ベトナム、メキシコと続き中国も5万人でランクインしている。世界の各国がヤブカの撲滅に悩んでいる。ところが中国の対策はユニークだ。中国の患者のほとんどは広東省に集中している。その広東省には、世界最大の「蚊生産工場」があるという。しかも毎週100万匹の蚊を放っているという。但し生殖能力がなく、ウイルスを持っていない蚊をだ。デング熱を媒介する蚊の数を薄めることが目的らしい。「所変われば品代わる」と言う諺は生きているようだ。今の日本にそのような発想はあり得ない。もし行えば袋叩きになること請け合いだ。一風変わった中国の結果を見守りたいものだ。