劣化する大企業たち

コンプライアンスが大切とは言うものの、最近頓に大企業の劣化が目立つようになってきた。東芝は6事業全部門で大規模な不適切会計が見つかってしまった。野村証券は主幹事を務めたグノシー上場で赤字と知りながら黒字だと騙した疑いがある。キヤノンは80歳の元経団連会長が会長兼社長に居座り、後に続く役員たちも70歳以上の高齢でしかも超高給取り。老人跋扈で機能不全に陥いり明日が見えない。シャープは業績の浮き沈みが激しい液晶事業を切り離せず、かつ将来の姿も描けない。みずほも三菱もサジを投げ、すでに解体の道しか残っていない。中でも断トツに劣化したのがオリンパスだ。イギリス人社長を解任したオリンパス事件が、あれで終わった訳ではないようだ。不正な企業買収をイギリス人社長が告発し、菊川会長らが引責辞任し、その後イギリス人社長が突然解任され菊川らが復活したあの事件だ。結局菊川が辞任し膿が出切ったように思われた。ところがギッチョン不正の体質は染み付いたままだ。本業は復活したものの、米国の反キックバック法違反の罰金を引当金として540億円計上。米国以外にインドでもブラジルでも問題視されている。巨額特損はまだまだ続きそうだ。銀行から来た会長と専務は、すでに泥舟から下船した。提携先のソニーから来た社外取締役も去った。だが船頭のいなくなった泥舟には高度な技術が積んである。社風は一朝一夕には変わらない。オリンパスの消滅がベストだ。高度な技術を富士フィルムあたりが引き継ぐと、技術が生かされることになりそうだ。