誰も知らない集団的自衛権の中身

韓国の防疫対処能力も不安だが、日本の安全保障法案はもっと不安だ。集団的自衛権について審議している衆院特別委員会で、先週安倍首相がポツダム宣言を読んだことがないことがバレてしまった。更に今週は志位共産党委員長に、後方支援中の応戦行為や退避の可否について質問されたが、支離滅裂な回答でオロオロしている。安倍首相自身が法案の内容を理解していないことがバレバレだ。一方集団的自衛権が憲法違反かを議論する衆院憲法審査会でも珍事が起きた。自公の集団的自衛権行使の法案は、憲法解釈の変更の範囲内であることを大前提にしている。ところが、与党が推薦した参考人である長谷部早大教授が「憲法違反だ。従来の政府見解の基本的な論理の枠内では説明がつかない」と明言した。何と与党案を根底から否定したのだ。与党は端から憲法違反は承知の上で強引に解釈変更で乗り切ろうとしているのが見え見えだ。更にオマケまである。衆院特別委員会で閣僚を追及している民主の後藤議員が泥酔して宿舎にタクシーで帰った時、降車拒否をして警官に降ろされ、宿舎の門にのぼろうとして転倒し頭や顔にけがをしたという。開いた口が塞がらない。自爆もあるし敵失もある。このような状況下で、安全保障法案を採決して良いのだろうか。マスコミも国民も、もっと声を上げるべき時だと思うのだが。