都構想否決の後

住民投票により大阪都構想は否決され、敗れた橋下市長は政治家引退を表明した。二重行政を解消することなく、計画性のある都市作りへの芽が育つ前に摘み取られてしまい残念に思う。元々大阪都構想とは大阪市と堺市を特別区にすることだった。だが堺市が抜けた2年前の時点で基本構想はとん挫していたと見るべきだろう。大阪市だけの特別区化では、大きなメリットを期待するのは難しい。橋下市長は敗将の弁として「都構想をしっかり説明しきれていなかった僕自身の力不足」と言っている。確かに堺市が抜けた現在では、明確にメリットを説明するのは難しいと思う。結局この住民投票は、明日への期待に賭けるか、昨日と変わらない現状維持を守るかの選択だったのかもしれない。見方を変えると、維新プラス無党派層vs既存政党連合の戦いだったとも言えそうだ。離れた関東から見ると、都構想自体はある程度メリットがあるのに、自民や共産などの既存政党が利権の存続の為強引に抑え込んだようにも見える。大阪市の住民投票の結果は賛成69万票、反対70万票でたったの1万票差だった。ところが、全国の読者を対象にしたダイヤモンドオンラインの調査によると、賛成7割、反対2割で圧倒的に賛成が多い。大阪を如何に活性化させるかのボールは反対票陣営にある。果たしてボールを投げ返すことが出来るのだろうか。