認知症の公表あれこれ

ドラえもんの声優である大山のぶ代さんの夫砂川啓介さんが、のぶ代さんの認知症を公表した。世間に隠して悩んでいる時、友人の毒蝮三太夫さんから「一人で抱え込んでいると砂川さんの方が先に参ってしまうぞ」とのアドバイスを受け公表に踏み切ったとのこと。のぶ代さんは、会話が困難、外出出来ない、一人で風呂に入れないというから、相当進んでいるようだ。のぶ代さんの病状は既に世間に知れ渡ったのだから、砂川さんはこれ以上マスコミには顔を出さず、そっと介抱に徹してあげると良いと思う。このニュースで晩年の長門裕之さんを思い出した。長門さんは認知症が相当進んだ南田洋子さんの介護する様子を、積極的にテレビに公表した。高い視聴率は獲れたようだが、嘗ての女優のイメージは完璧に破壊された。普通の人であれば、女優はいつまで経っても女優のままでいて欲しいと思うものだ。当時何のために洗い浚い公表してしまったのか疑問に思った。病気の女房をダシにしてまで出演料が欲しいのだろうか、はたまた介護に徹する自分をアピールしたいのだろうかと人格を疑った。長門さんの異常さを、今はこう解釈している。長門さんは、若い頃放蕩三昧で苦労をかけた洋子さんへの罪滅ぼしとして、介護に徹した。ここまでは良かったが、長門本人の心の中では若い時の洋子さんが生きている。介護の対象は若い頃の洋子さんのイメージなのだろう。だから介護状況を公開しても、若い時の洋子さんが放映されると思い違いをしたのかもしれない。常識的に見ると、洋子さんの気持ちを無視した一方的な愛の表現だったのだろう。砂川さんがこれに続かないことを願いたいものだ。