踊らされたエコ運動

もう数年前のことだが、テニスクラブの入口のハンガー掛けにペットボトルのキャップが入ったポリ袋が掛かっていた。何かのオマジナイかと思ったら、世界の子供たちにワクチンを贈る運動とのこと。ペットボトルのキャップを集めてリサイクルに回し、その売却益をワクチン購入に充てる仕組みらしい。環境意識やリサイクル意識を高めるためにエコキャップ運動として、企業や学校に広がっているようだ。初めてその話を聞いた時、何故ペットではなくキャップなのか、リサイクルは可能なのかと疑問を感じた。価格的にペットは高価だがキャップのポリエチレンやポリプロピレンは安価だ。回収すると量も嵩むので物流費もバカにならず経済的にも効率が悪そうだ。更にポリエチレンとポリプロピレンを如何にして仕分けするのだろうか。仕分け出来なければ、用途が極めて限定され二束三文にしかならないはずだと。疑問はあるが、ペットボトルを買った時はキャップをポリ袋に投げ込んできた。ところが、今年4月に、この運動で得られた売却益がワクチン購入に充てられていない事実が報道され、多くの企業や学校が運動中止を決めたようだ。テニスクラブのハンガー掛けや道路の家庭ごみ回収所の釘にも、キャップの入ったポリ袋が掛けられたまま未だに放置されている。誰が後片付けをするのだろうか。