猿に同化した猿山の園長たち

高崎山自然動物園が昨日生まれた赤ちゃん猿にシャーロットと名付けたことが問題になっている。シャーロットとは勿論英国王室に5月2日に誕生したシャーロット・エリザベス・ダイアナ王女の名前からとっている。公募で最多のシャーロットと名付けたが、英国王室に不敬との抗議が寄せられ、動物園はお詫びのコメントを発表。大分市と動物園が対応を協議したが結論が出ず、何と事もあろうに英国大使館の意向を求めたという。英国人が猿をどう見ているかは知らないが、少なくとも日本では猿のイメージは悪い。頭が悪いという意味の蔑称に使われ、猿知恵、猿真似、猿芝居など表現も豊富だ。欧米では猿は黒人をイメージさせる差別用語だし、戦時中の日本人はイエローモンキーとの侮辱も受けた。高崎山の動物園責任者たちには問題が多過ぎる。まず、公募で最多とはいえ、名付けに疑問を持たなかったこと。抗議を受けて謝ったものの自分たちで結論を出す常識的な判断力がなかったこと。挙げ句の果てに、英国大使館に意向を求めるなどもってのほか。英国大使館が可否の判断をするはずがない。「そちらの良識の範囲で、ご自由に」と言うに決まっている。ご自由にと言われても、可否の判断は出来まい。名付けを白紙に戻せば100点満点で50点。優、良、可の可で合格の最低点だ。もしシャーロットと決定すれば、非常識と呼ばれるだけでなく、職責の真っ当も危うくなりそうだ。これらの責任者たちは、長いこと高崎山で暮らし、脳が猿に同化してしまったのかもしれない。