シジュウカラあれこれ

この1週間ほどで、鳥の鳴き声が変わった。先週までは、ピイーピッピとヒヨドリが鳴いていた。今週はスピッスピッスピッスーに変わった。四十雀だ。ヒヨドリは繁殖を終え、四十雀の恋の季節になったのだろう。鳥の鳴き声で時の流れを感じるのは風流の極みと言えそうだ。四十雀といえば、居酒屋を思い出す。小学校のクラス会の帰りに立ち寄ったのが、四十雀という名の居酒屋だった。小学校のクラスメートの弟が開いた店だ。店名の由来は「始終カラだから偶には来てね」という裏の意味があるのだと言っていた。暖簾をくぐり「雀の字が見えたので雀荘かと思ったよ」と冗談を言いながら入っていくと、店は繁盛しているようで活気があった。店名の名付けは難しい。居酒屋であれば、誰しも気の利いた美味しいものがあるようなイメージがする名前を付けたいものだ。居酒屋でシジュウカラとは自虐的な命名だ。もし本当に「始終カラ」になってしまったら目も当てられない。店主は腕に相当の自信があったのだろう。なかなか洒落た名前を付けたものだと感心した。四十雀の鳴き声を聞くといつもこの居酒屋を思い出す。自分にはそれほどインパクトのある店名だった。