「みうみま」の効果

卓球の世界選手権が始まった。偶々テレビを点けたら「みうみま」が戦っていた。「みうみま」の「みう」は平野美宇、「みま」は伊藤美誠。1月の選考で、あの平野早矢香、石川佳純組が代表を落選し、選ばれたのが「みうみま」。ミキハウスが選考基準が明確ではないと抗議していた当人たちだ。1回戦の試合を見る限り、平野/石川組と較べても遜色はないと思った。「みうみま」はともに中学3年生で、伊藤は福原の日本代表最年少記録を更新。去年のドイツオープンではツアー史上最年少の13歳で制覇している。実績もあり伸び盛り。この二人は5歳からペアを組んだと言うから、既に相性はベテランの域に達しているようだ。女子ダブルスの試合を見ていて、初めて気付いたことがある。試合中、この二人の距離は1mと離れない。相手が右に動けば自分は左に、前に行けば後ろに動く。床に落ちた球を取りに行く時は、近い選手が取りに行き遠い選手は卓球台の近くにいるのが普通だが二人は違う。2人揃って球を取りに行くのだ。まるで自分の目が乱視で景色が二重に見えるかのように、二人の行動が重なって見えた。まさにシンクロしているのだ。このシンクロの凄さを見るだけで、この二人は間違いなく近い将来にダブルスを制覇するのは間違いないと確信した。世界選手権への選手選考は難しい。実績を取るか、将来性を取るかで意見が二分する。しかし、考えてみれば選考は簡単だ。将来性のリスクを取る選考者は、その結果にも責任を取れば良い。推薦した選手が負ければ辞める、勝てば職を全うする、只それだけの事だと思う。選考者の職への拘りが、選手選考を歪めているように見える。