カテゴリ:201504



30日 4月 2015
ソニーが永遠のペットを売りにしていたAIBOのアフターケアー事業を止めたことは、このブログ「2014年8月1日:医師に見放されたAIBO」に書いた。「愛玩ロボットはある意味で生き物だ。生き物の命を絶つ行為と言える。同時に飼い主の心まで傷付けることになる」という内容だった。嘗てのソニーは「まず顧客の求めるモノを作り、その結果利益に繋がる」という創業者の理念があったが、順序が逆転し「利益を上げるためには」だけが最優先される詰まらない会社になってしまった。ところが、その創業者理念はソニーを離れた場所で細々と生き延びているようだ。ソニーの技術者OBたちがAIBOの修理会社を立ち上げ、獣医の仕事をしているとのこと。追い出し部屋に放り込まれた技術者が退社後、AIBOの修理を手掛け始めた。治ったAIBOを見て涙を流して喜ぶ飼い主に接し、技術者冥利を感じているようだ。平井社長はAIBOのメンテ事業をバッサリと切った。もし少しでも顧客のことを考えて、メンテ事業をどこかの会社に委託するような配慮があれば、ソニーはこれほどダメ会社にはならなかったのではないかと思う。経営トップが、顧客と利益のどちらを優先するかで会社の浮き沈みが決まってしまうようにも見える。果たしてソニーはこの先再び浮かび上がることがあるのだろうか。
29日 4月 2015
大型連休が近づき、新入社員はそろそろ会社生活に慣れたかもしれないし、はたまた五月病を迎える人もいるかもしれない。新入社員研修が大変だというニュースが載っていた。会社のメールで、絵文字を使う新入社員がいて問題となり、社員教育はそこから始まるのだという。大変な世の中になったものだ。しかし、絵文字そのものは世界の中でしっかりとステイタスを確立しているようだ。日本生まれの絵文字が、世界中で認知されEmojiとして広まっているとのこと。Sushi、Samuraiなどに続く横文字だ。世界には多くの種類の言語がある。英語、フランス語、ドイツ語、ロシア語、スペイン語、アラビア語、中国語等々数え上げたら切りがない。それぞれの言語には慣用句があるので、同じ事を表すにも言い回しが違ってくる。でも、絵文字ならば世界共通だ。因みに、世界で最も多く使われている絵文字はニコニコマークで、2位は悲しい顔、3位はハートマークとのこと。自分は、女の子とのメールでは、ニコニコマークと悲しい顔と音符記号をよく使う。但しハートマークは誤解が生じやすいので一度も使ったことはない。勿論男性相手には絵文字は使わない。唯一の例外は子供へのメールだ。絵文字を使わないメールはない。どうやら絵文字は人と人の間の距離感の尺度にもなっているようだ。
28日 4月 2015
卓球の世界選手権が始まった。偶々テレビを点けたら「みうみま」が戦っていた。「みうみま」の「みう」は平野美宇、「みま」は伊藤美誠。1月の選考で、あの平野早矢香、石川佳純組が代表を落選し、選ばれたのが「みうみま」。ミキハウスが選考基準が明確ではないと抗議していた当人たちだ。1回戦の試合を見る限り、平野/石川組と較べても遜色はないと思った。「みうみま」はともに中学3年生で、伊藤は福原の日本代表最年少記録を更新。去年のドイツオープンではツアー史上最年少の13歳で制覇している。実績もあり伸び盛り。この二人は5歳からペアを組んだと言うから、既に相性はベテランの域に達しているようだ。女子ダブルスの試合を見ていて、初めて気付いたことがある。試合中、この二人の距離は1mと離れない。相手が右に動けば自分は左に、前に行けば後ろに動く。床に落ちた球を取りに行く時は、近い選手が取りに行き遠い選手は卓球台の近くにいるのが普通だが二人は違う。2人揃って球を取りに行くのだ。まるで自分の目が乱視で景色が二重に見えるかのように、二人の行動が重なって見えた。まさにシンクロしているのだ。このシンクロの凄さを見るだけで、この二人は間違いなく近い将来にダブルスを制覇するのは間違いないと確信した。世界選手権への選手選考は難しい。実績を取るか、将来性を取るかで意見が二分する。しかし、考えてみれば選考は簡単だ。将来性のリスクを取る選考者は、その結果にも責任を取れば良い。推薦した選手が負ければ辞める、勝てば職を全うする、只それだけの事だと思う。選考者の職への拘りが、選手選考を歪めているように見える。
27日 4月 2015
錦織は強かった。何とバルセロナオープンで連覇を果たした。第1シードで2回戦からの出場だ。相手は2回戦ガバシビリ、3回戦ヒラルド、準々決勝アグト、準決勝クリザン。相手はランク下とはいえ、手を抜けば直ぐに付け込まれる強敵ばかりだ。その証拠にナダルもフェレールも敗退してしまった。でも錦織は圧倒的に強かった。こんなに強くて頼りになる日本人テニス選手は見たことがない。ところが決勝はアンドゥハール相手に一転して苦戦を強いられた。アンドゥハールは、まるで錦織のような動きを見せゾーンに入りゲームを支配していた時間が多かった。だがアンドゥハールは最後の最後で自分のダブルフォルトと、錦織の止めのリターンエースで沈んでしまった。捨て身作戦で力が尽きたのだろう。今テニスの世界では、クレーコートが主流になっている。世界ランクの上位は殆んどクレー育ちの選手で占められ、ハードコート育ちの選手は錦織一人だ。ハードはビッグサーブがものを言うが、クレーは球足が遅く技術、戦術、スタミナ等の総合力が必要になる。錦織がバルセロナオープンで勝てた要因は、クレーを克服したことだろう。言い方を変えると、ハードコートの速いテンポのストロークを持ち込み、クレーコートでの戦い方に革新をもたらしたとも言えるだろう。錦織のクレーコートでの戦いは、マドリード、ローマそして全仏オープンへと続く。楽しみになってきた。
26日 4月 2015
小学1年生になった孫が我が家に遊びに来た。父親は出張のため一緒に来られなかったので、父親代わりに遊ぶことになった。男の子だけにスポーツが好きだ。狭い庭でテニスや野球に興じた。ラケットもバットも強く打たないよう言い聞かせていたので、フラストレーションが溜まったようだ。広い公園で思いっきり打ちたいと言う。昔は小学校の校庭が使えたが、今は関係者以外は立ち入り禁止で入れない。そこで少し離れた広場に行ってみた。野球禁止などの掲示が無いことを確認し遊び始めた。孫は小学1年生だから、バットは勿論プラスチック製でボールは硬式テニスボール。自分が投手になり、孫は打者専門。始めのうちはバットを胸の前で構えるので当たらない。そこでバッティングフォームを教えてあげた。如何にも打てそうなフォームになった。投げたボールがストライクゾーンに行くと、バットの芯で捕えた鋭い打球を連発した。贔屓目に見なくても素質がありそうに思われた。余りにも鋭い球を打つので、長いこと熱中し時の経つのを忘れるほどだった。熱中している間に、何故か昔自分の子供と野球をした思い出が蘇ってきた。孫とその親である自分の子供の姿が重なり、タイムスリップしたような感覚に襲われた。自分は運動オンチだが、自分の子供たちは野球が上手かった。子供の子供である孫は、子供の運動神経を引き継いでいるようだ。運動オンチが自分の代で途切れたことを嬉しく思えた、孫とのひと時だった。
25日 4月 2015
毎年ゴールデンウイークは我が家一家が全員集合するのが恒例になっている。しかし我が家の3人の子供たちも社会人として中堅になり、自分たちの都合だけで日程を決めることが出来ない年齢に達したようだ。次男は出張で日程の折り合いがつかず、全員集合は叶わなくなった。そこで、次男を抜いて嫁さんと孫たち2人が全員集合日前に我が家に遊びに来た。孫たちは我等ジジババが大好きだ。嫁さんも舅姑を避ける様子はない。実の子供である次男が一緒に来なくても、嫁さんが我が家に遊びに来るのだから、嫁姑の確執はないと言えそうだ。いつもは我が家でカミサンが料理を作り団欒の一時を過ごすのだが、今日は義母も連れて6人で近所の行きつけのカジュアルレストランで夕食を摂った。料理は美味しく、会話も弾み楽しいひと時を過ごしたが、孫たちの少食具合が少し気になった。でも孫たちは、運動神経も良く快活でスクスクと育っている。沢山食べれば良い子に育つという時代は終わっているようだ。後進国の子供ほど太っている事実を見れば、食べれば育つと言う言葉も過去のものになっているのかもしれない。それはそれとして今日一番感銘したのは、我が家の実の子供もいないのに嫁さんたちが1泊で我が家に遊びに遊びに来たこと。まさにゴールデンウイークが始まった。
24日 4月 2015
今日アップルウォッチの日本販売が開始された。ニュースでは例によって販売店の長蛇の列が映し出され、情報番組では現物をいじくりまわして騒いでいる。アップルウォッチは時計表示もあるんですと、ウォッチならば当然時計機能があるのに、そんな事が話題になっている。アップルウォッチの「ウォッチ」とは、単に「時計」を指すのではなく「時計のように腕にはめる」という意味に捉えられているようだ。まさにウエアラブル端末なのだ。しかしアップルウォッチはアイフォーンの子機のようなものだから、アイフォーンを同時に身に付けていないとメールも通話も出来ないようだ。技術としては未完なのかもしれない。あと数年も経つと、ウォッチとアイフォーンが一体化されて、今日発売されたアップルウォッチは初期のプロト機としてアップル本社の歴史ケースに飾られる定めなのかもしれない。一方、我が家ではガラケーで大騒ぎだ。日経朝刊1面トップには「ガラケー生産終了」の記事。カミサンが騒ぎ出した。自分はスマホに対応出来るが、お年寄りには無理かもと心配している。南米大陸の西にあるガラパゴス諸島は自然保護対策が講じられ、生き物は独自の進化を遂げ続けている。ガラパゴス携帯というから、独自に進化し生き延びるものかと思っていた。しかし、日本で育ったガラパゴス携帯はアンドロイドに駆逐され、風前の灯だ。行く年来る年のように、携帯端末機の潮目のようだ。
23日 4月 2015
テレビを見ていたら、沢井製薬のCMで高橋英樹が「ジェネリックにしか出来ない革新技術、それが沢井製薬です」と言う。思わず笑ってしまった。ジェネリックとは、特許が切れた他社製品の模造品だ。そこに革新技術などあるはずがない。革新技術開発に苦労した期間がないからその分安い。医療費抑制のため厚労省がジェネリックを推奨しているが、効能が先発薬と同じとは限らない。自分は先発薬とジェネリックの効き目の違いを経験したことがあるので、あまり信用はしていない。だが、このCMは薬の宣伝だけにクスリと笑えた。一方笑えない冗談みたいなものもある。新聞に「ニュースで伝えられないこの国の真実:辛坊治郎:中経出版」という本の宣伝が載っていた。副題は「今こそ話そう、マスメディアの裏側を」で、主な目次は「五輪プレゼンで語られた安倍首相の嘘とは」とか「STAP細胞騒動の黒幕は」とか「イスラム国渡航未遂事件の真の主人公」など。だが、この辛坊治郎なる人物は、長年日本テレビの報道番組でメインキャスターを務めて毎週時事問題を取り上げ報道しているのだ。この本の目次が事実ならば、番組のキャスターとして、今まで一体何を掘り下げしゃべっていたのだろうかと疑念が湧いてきた。勿論こんな支離滅裂な人物が書いた本など読もうとも思わない。ただこの人の頭の中の構造は、どうなっているのだろうかと不思議に思うだけ。落語の落とし噺みたいだが、全く笑えない話だ。でも落語に出て来るヨタロウと思えば笑えるかもしれない。いずれにしても、お後が宜しいようで。
22日 4月 2015
NHK受信料を支払わない方法として、筑波大の准教授がNHKだけが映らないアンテナを開発した事はこのブログで4月13日に書いた。更に支払わなくて済む別の方法があることが分かった。NHKが受信料の支払いを求めた裁判で敗訴したのだ。内容はこうだ。NHKは受信契約したにもかかわらず受信料を支払わない男性に対し支払い請求の裁判を起こした。男性は契約は締結していないと主張。裁判所が、契約書の署名を調べ男性の筆跡ではないと認定した。その結果「受信契約を締結したものとは認められない」として「放送受信料の支払い請求は理由がない」と結論付けたとのこと。放送法では「テレビを設置した者はNHKと受信契約しなければならない」とあるが、「契約しなければ支払う必要はない」ということだ。「テレビを持っていれば支払い義務が生じる」というNHKの主張は否定された。さて次なる問題は「テレビを持っていても受信契約をしないこと」に対し、どのような処罰が下されるかだ。勉強不足なので不確かなのだが、放送法には違反に関する処罰規定はないらしい。となれば、NHKはすぐさま処罰規定を付け加える法改正に走るに違いない。NHKのあり方に疑問や不満を持つ者は、法案の是非を国民レベルで議論出来るよう、常に目を光らせておく必要がありそうだ。それがNHKを良くするための国民の義務とも言えそうだ。
21日 4月 2015
日本橋三越本店に「地平アイコ」というロボット受付嬢が登場した。まだニュースでしか見たことはないが、人間らしい容姿で表情豊かに館内案内を説明している。登場初日とのことで、物珍しさも加わり大盛況だ。地平アイコは東芝製のロボット。身振りを加えて台詞をしゃべるが、情報内容はWEBに繋がった電子看板であるデジタルサイネージを見る必要がある。人間との音声による対話は出来ない。プロトタイプの価格は1体数千万円と高額だ。店長は、笑顔を絶やすことなく正確に繰り返し説明出来ることや、単なるデジタルサイネージだけの情報提供よりも顧客の記憶に残り易いと強調するが、果たしてそうだろうか。ひと昔前に登場したしゃべる飲料自販機を思い出す。飲み物を買うと、自販機が「ありがとうございました」と言う。初めて聞いた時は驚いたが、2回目は「バカか」と思った。それ以降は言葉が耳を素通りした。単なる雑音にしか聞こえなくなり、更にはその雑音にも気付かなくなる。機械が発するお礼など無用の長物だ。アイコの笑顔も同じ運命を辿るに違いない。どうやら店長は思い違いをしているようだ。人が感動するのは笑顔ではなく生きた受け答えだ。ロボットにはロボットにしか出来ない仕事が適している。例えばアイコを如何なる言語でも音声による対話が出来るようにして、外人専用コンシェルジュ嬢にする。ヒト型ロボット技術は日本の独壇場だから、外人にウケること間違いなし。来日客は、挙って三越本店を目指すことになるかもしれない。

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