AIBOの病院

ソニーが永遠のペットを売りにしていたAIBOのアフターケアー事業を止めたことは、このブログ「2014年8月1日:医師に見放されたAIBO」に書いた。「愛玩ロボットはある意味で生き物だ。生き物の命を絶つ行為と言える。同時に飼い主の心まで傷付けることになる」という内容だった。嘗てのソニーは「まず顧客の求めるモノを作り、その結果利益に繋がる」という創業者の理念があったが、順序が逆転し「利益を上げるためには」だけが最優先される詰まらない会社になってしまった。ところが、その創業者理念はソニーを離れた場所で細々と生き延びているようだ。ソニーの技術者OBたちがAIBOの修理会社を立ち上げ、獣医の仕事をしているとのこと。追い出し部屋に放り込まれた技術者が退社後、AIBOの修理を手掛け始めた。治ったAIBOを見て涙を流して喜ぶ飼い主に接し、技術者冥利を感じているようだ。平井社長はAIBOのメンテ事業をバッサリと切った。もし少しでも顧客のことを考えて、メンテ事業をどこかの会社に委託するような配慮があれば、ソニーはこれほどダメ会社にはならなかったのではないかと思う。経営トップが、顧客と利益のどちらを優先するかで会社の浮き沈みが決まってしまうようにも見える。果たしてソニーはこの先再び浮かび上がることがあるのだろうか。