孫のお相手

小学1年生になった孫が我が家に遊びに来た。父親は出張のため一緒に来られなかったので、父親代わりに遊ぶことになった。男の子だけにスポーツが好きだ。狭い庭でテニスや野球に興じた。ラケットもバットも強く打たないよう言い聞かせていたので、フラストレーションが溜まったようだ。広い公園で思いっきり打ちたいと言う。昔は小学校の校庭が使えたが、今は関係者以外は立ち入り禁止で入れない。そこで少し離れた広場に行ってみた。野球禁止などの掲示が無いことを確認し遊び始めた。孫は小学1年生だから、バットは勿論プラスチック製でボールは硬式テニスボール。自分が投手になり、孫は打者専門。始めのうちはバットを胸の前で構えるので当たらない。そこでバッティングフォームを教えてあげた。如何にも打てそうなフォームになった。投げたボールがストライクゾーンに行くと、バットの芯で捕えた鋭い打球を連発した。贔屓目に見なくても素質がありそうに思われた。余りにも鋭い球を打つので、長いこと熱中し時の経つのを忘れるほどだった。熱中している間に、何故か昔自分の子供と野球をした思い出が蘇ってきた。孫とその親である自分の子供の姿が重なり、タイムスリップしたような感覚に襲われた。自分は運動オンチだが、自分の子供たちは野球が上手かった。子供の子供である孫は、子供の運動神経を引き継いでいるようだ。運動オンチが自分の代で途切れたことを嬉しく思えた、孫とのひと時だった。