お後が宜しいようで

テレビを見ていたら、沢井製薬のCMで高橋英樹が「ジェネリックにしか出来ない革新技術、それが沢井製薬です」と言う。思わず笑ってしまった。ジェネリックとは、特許が切れた他社製品の模造品だ。そこに革新技術などあるはずがない。革新技術開発に苦労した期間がないからその分安い。医療費抑制のため厚労省がジェネリックを推奨しているが、効能が先発薬と同じとは限らない。自分は先発薬とジェネリックの効き目の違いを経験したことがあるので、あまり信用はしていない。だが、このCMは薬の宣伝だけにクスリと笑えた。一方笑えない冗談みたいなものもある。新聞に「ニュースで伝えられないこの国の真実:辛坊治郎:中経出版」という本の宣伝が載っていた。副題は「今こそ話そう、マスメディアの裏側を」で、主な目次は「五輪プレゼンで語られた安倍首相の嘘とは」とか「STAP細胞騒動の黒幕は」とか「イスラム国渡航未遂事件の真の主人公」など。だが、この辛坊治郎なる人物は、長年日本テレビの報道番組でメインキャスターを務めて毎週時事問題を取り上げ報道しているのだ。この本の目次が事実ならば、番組のキャスターとして、今まで一体何を掘り下げしゃべっていたのだろうかと疑念が湧いてきた。勿論こんな支離滅裂な人物が書いた本など読もうとも思わない。ただこの人の頭の中の構造は、どうなっているのだろうかと不思議に思うだけ。落語の落とし噺みたいだが、全く笑えない話だ。でも落語に出て来るヨタロウと思えば笑えるかもしれない。いずれにしても、お後が宜しいようで。