他山の石が見えない国交相

アルプス山中に墜落した格安航空会社のエアバス事故の原因は、どうやら副操縦士の精神疾患を見落としていたことにあったようだ。墜落は突発的な事故や衝動的な行為ではなく、計画的な臭いがプンプンする。医師の乗務不適合という診断書を廃棄して会社に事実を隠し、精神疾患の治療薬を服用していたとのこと。副操縦士による乗客乗員150人全員を道連れにした自殺、というよりは大量殺人だと言えそうだ。この航空会社では健康診断はするが精神疾患のチェックはしないので、見落とされてしまったようだ。この事件を受け、この会社も各国も操縦室常時2人体制にするという。2人体制であれば万一操縦士が精神異常者であっても歯止めの効果が期待出来る。現在は格安航空が急激に増えて操縦士が世界的にひっ迫している。操縦士の売り手市場だから、少々の傷物でも採用する可能性は高い。いつ第2のルビッツ副操縦士が現れるか分からない。そんな状況の中で、国交省は操縦室1人体制を容認するという。国交省は「客室乗務員が訓練を十分受けないと余計に混乱を招きかねない」と能天気なことを言っている。国交省は日本の操縦士は精神疾患にならないし、ハイジャックなど起こり得るはずがないと信じているのかもしれない。電車の乳母車問題には敏感な大田国交相だが、大事故を防止することには考えか及ばないようだ。結局国民は自分の安全は自分自身が祈るしかないようだ。