困った市長さん

下関市長が下関市立大学大学院経済学研究科に提出した修士論文が不合格になり、市長が大学にねじ込んだというニュースを聞いて驚いた。地域内分権への取り組みをテーマにして研究成果を纏めたが、審査員の3分の2の同意が得られず不合格になった。市長は市幹部を引き連れ、不合格の理由を聞くため大学に乗り込んだ。大学側に審査過程の情報公開を請求しようとしたが、不合格の決定が覆らないことが分かり請求は断念したとのこと。驚いた事は3つある。1つ目は、市長という要職にありながら修士論文が書けるほど時間的余裕を持っていた事実。2つ目は、論文は「地域内分権への挑戦」という題までは良かったが、内容が自分史と自身の人生哲学だったため学術的な価値はなかったこと。3つ目は、市立下関大学の設置者という立場を利用して合格に変えられないかと圧力をかけたこと。最近地方は人材不足で市町村長や議員の成り手が少ない。下関もご多分に漏れずそうなのかもしれない。この市長は「生涯学習は自分の進む道」とも言っている。基礎の基礎から学び直すことを薦めたい。