大学の在り方

政府の教育再生実行会議が安倍首相に提言する内容の記事が日経と産経に載っていた。日経の見出しは「大学で職業人育成を」だが、産経は「大学を全世代向けに」で、ニュアンスが異なる。ざっと拾い読みしてみると、見出しの通りで、日経は職業に結びつく知識や技能を高める実践的なプログラムを大学に設けることを提言したと記事にして、産経は大学に対し現行の若者中心から全世代向けのカリキュラムへの転換を求めることを提言したと記事にしている。出何処は同じ教育再生実行会議の提言書であるのに何故かと考えてみた。この会議の今回のテーマは生涯学習の推進。従って変化の激しい社会の中で生涯を通して活躍するためには、全ての人が継続的に学べる環境作りやシステム作りが必要と提言している。大学を職業人育成の場にするというのは、方策の一部の話なのだ。要は、産経は森を書いたが、日経は木を書いたということだ。新聞社により取り上げる観点が異なるのは当たり前だから、当然表現が変わるのは致し方ない。大切な事は、テレビや新聞の報道を鵜呑みにしないことだ。裏を取るちょっとした努力で世の中が違って見えてくることを実感した些細な記事であった。