大塚家具の御家騒動

事実は小説よりも奇なりと言うが、現実はテレビドラマよりも面白い。それが大塚家具の御家騒動だ。創業者の父親と実の娘が会社方針を巡りバトルを繰り広げている。しかも社内での内輪もめではなく、マスコミを通して日本一壮大な親子喧嘩を展開中。大塚家具といえば無借金経営の優良会社として有名だ。父親が後継者として娘を指名し社長に就いたものの5年後には対立し、父親が娘を解任させたが、今度は娘が父親を追放し社長に返り咲いた。父親の主張は、従来通り一客一従業員で接客する会員制の高級路線の踏襲。娘の主張は、ネット販売とニトリなどを意識したカジュアル路線への展開。父親の会員制高級路線踏襲には疑問だが、娘のカジュアル路線にも疑問符が付く。今は熾烈な委任状争奪戦を展開中で3月末の株主総会で決着がつく。しかし決着はついても今後の経営には「先が見えない」という暗雲が垂れ込めている。親子喧嘩などせずに、例えば、銀座本店は父親路線で、一方有明本社ショールームは娘路線で競い合い、利益の伸び率が大きい方の路線に決めたらどうだろうか。結局この親子喧嘩の成果は株価が倍に高騰しただけだ。もしもこの親子喧嘩が遣らせであれば、最優秀CM賞を受賞するに違いない。