青と灰色のマラソン大会

好天に恵まれた東京湾で「ちばアクアラインマラソン」が開催された。ニュースで見たが、アクアラインがびっしりとランナーたちで埋め尽くされ壮観な光景だ。1万7千人がエントリーし、35万人が観戦に訪れたとのこと。海の上を走るマラソン大会は他にない。海風を受けながら、青の世界を駆け抜ける爽快さは、走ることが苦手な自分でも充分理解出来る。ランナーたちは、順位は兎も角走る喜びを満喫したに違いない。一方この日は中国で北京国際マラソンも行われた。アクアラインとは正反対にスモッグで覆われ、微小粒子状物質PM2.5は最悪レベルの状況。3万人がエントリーしたがマスク姿が目立ち、大気汚染の影響で早々に棄権してしまうランナーが続出したようだ。中にはパフォーマンスで毒ガスマスクを装着した選手がいたり、ネットでは3万の人工空気清浄器などと揶揄したコメントもあったらしい。危険レベルという空気の下で、灰色の世界を走るのは、スポーツというよりは修行のための苦行にも見える。苦行の先に健康被害がなければ良いのだがと思ってしまう。何を求めて苦しむのかは、人夫々なのだろう。