東シベリアがダメならサハリンで

事の真贋は定かではないが、ロシアが日本にサハリンの天然ガス・パイプライン建設を提案してきたという。もし本当であれば日本は前向きに検討すべきだと思う。日本は原発が止まり火力発電が主になったため、今や世界一の天然ガス輸入国だ。片やロシアは世界の天然ガス産出量の2割を占め米国と並ぶエネルギー輸出大国。需要と供給の関係はベストマッチだ。だが今春ロシアは東シベリアの天然ガスを30年間中国に供給することで合意した。この時は中国ではなく日本と契約をする可能性もあったが、日本がウクライナ問題で欧米側について制裁を科したため、中国になってしまった経緯がある。ウクライナ問題は、民族問題であるし、撃ち落とされたマレーシア機の犯人は今ではロシア側ではなくウクライナ側だということが定説になっている。日本が欧米とグルになってロシアに制裁する義理などはなかったのだ。日本の立場を欧米に丁寧に説明すればロシアとの契約は可能だったはずだ。安倍首相は情勢を見誤り、日本のエネルギー政策の抜本的解決策を見逃してしまったと言えそうだ。だがロシアは再度提案してきた。第3の矢である成長戦略に中身が無く尻窄みが見え見えなので、これに乗らぬ手はない。規制改革は全然ダメで、天然ガスもダメ、TPPもダメでは、成果はゼロ。と言うよりは大幅なマイナスだ。安倍政権の先行きは暗い。