危険には安全サイドで対策を

御嶽山が噴火して1週間が経過したが、47名が犠牲になり未だに16名が行方不明だ。気象庁は噴火するまで警戒レベルを平常に据え置いており、水蒸気噴火は予測不能だったと主張している。果たしてこの主張は正しいのだろうか。嘗て有珠山の噴火を予知して早期に住民を避難させ、被害を最小限に食い止めた実績を持つ岡田北大名誉教授は、御嶽山には明らかな前兆があったので事前に充分対策が打てたはずだと指摘している。自分のテニス仲間は噴火の1週間前に御嶽山登山を予定していた。ところが9月に入り地震が頻発したとのニュースを聞き山小屋に問い合わせたところ、何の問題もないとの返事。でも不安を感じ山小屋のキャンセル料を払って登山を中止した。噴火警戒レベルは5段階あり、レベル1は平常でレベル2は火口周辺立ち入り規制、レベル3は入山規制。御嶽山は噴火前はレベル1だったが今はレベル3になっている。残念ながらレベル2が存在しなかった。気象庁は地殻変動が認められなかったのでレベル1に据え置いたと言い訳しているが、危険は安全サイドで評価すべきだ。テニス仲間の判断は正しい。岡田教授は「火山にはそれぞれ固有のリスクがある。現在の警戒レベルのレベル分けの仕組みでは、火山ごとの実態に即した柔軟な対応ができない。リスクに応じた対策を講じるべきだ。御嶽山は噴火前にレベル2に変更すべきだった」と断じている。日本は火山大国。火山の上で生活しているようなものだ。どの山も御嶽山のように噴火を起こす危険がある。それにしては予知体制が貧弱だ。救援体制も含め抜本的な体制作りが必要だ。