ドラマチックな引退試合

これぞエンターテイメントというテレビを観た。MLBヤンキース対オリオールズ戦だ。今シーズンで引退するジーター選手にとって最後のヤンキースタジアムでの試合。全ての観客が試合中「デレク・ジーター」と声援を送り続けたジーター選手の引退試合だ。試合はまるで筋書きのあるドラマだった。黒田投手が8回まで投げ5-3のリードで、12勝目は目前。ところが9回表にクローザーが打たれ5-5となり追いつかれた。ところが9回裏ヤンキースの攻撃で、1死2塁でジーターが登場。見事に初球を一、二塁間に打ち返しサヨナラ勝ち。もし漫画であれば、やり過ぎと批判されそうなほどドラマチックな内容だった。選手も監督も観客も、そしてテレビ観戦者も、全ての人がジーター一点に注目していたのも凄いが、その重圧の中できっちり結果を出したジーター選手はもっと凄かった。終了後のインタビューでジーターは「試合内容を覚えていない。1回目の打席でガードを付けるのを忘れてた。2塁に走者がいないのにサインを出してしまった」と、如何に平常心が保たれなかったかを吐露していた。平常心に欠けても結果を出す。これがジーター選手の真骨頂だろう。「皆が自分にありがとうと言ってくれるが、自分は自分の仕事をしてきただけだ」という言葉が全てを物語っているようだ。