カテゴリ:201409



30日 9月 2014
西岡選手が40年ぶりにアジア大会テニスの金メダルを獲得し、伊藤選手は楽天テニスOPで何と世界4位のワウリンカを破る大金星を挙げた。錦織選手の全米OP準優勝が引き金になり、日本テニスが一気に開花したようだ。多分「日本人には無理」という心の重しが外れたからなのだろう。それで昔を思い出した。自分が学生の頃クラブの合宿では毎朝全員で比較的長距離をランニングするルールがあった。走ることが苦手な自分は、1~2km程度走ると必ず足が重たくなりズルズルとビリに下がるのが常だった。そのメンバーの中に、いつも白いウインドブレーカーを着て足取り軽く颯爽と走る先輩がいた。ある雨の日の朝、その先輩が自分に白いウインドブレーカーを貸してくれた。そして、それを着て走り始めると不思議な現象が起きた。恰も自分が先輩に入れ替わったような気がして、足取りが軽くなりいつまで経っても疲れないのだ。その時思った。走るのが苦手なのは、身体的に苦手なのではなく、気持ちの問題なのだということを。錦織選手が日本テニス界の「日本人には無理」という呪縛を解いた。後に続く選手は目白押しだ。その波及効果は計り知れない。しかし、それ以上に凄いと思うのは先頭に立って未開の地を自らの力で切り開いた錦織選手の精神力だ。「野球は野茂、テニスは錦織」。世界へ飛躍するための合言葉が確定したようだ。
29日 9月 2014
昨日書いたコクランのように、科学的根拠に基づいて無駄な医療を無くしていこうという動きもある。米国内科専門医認定機構財団が推進しているChoosing...
28日 9月 2014
昔痛風を患って以来ザイロリックを服用し続けているが、掛かり付けの医者が新薬の評判が良いので替えてみないかと薦めてきた。それで思った。ザイロリックは本当に効果があったのだろうか、新薬はどうなのだろうかと。薬が効能書き通り効くのかどうか、本当のところは、本人にも医者にも分からない。効くという噂を信じているだけだ。ところが世界には中立的に科学的な根拠で薬を評価するコクランという団体があるとのこと。そのコクランが、ファイザーのタミフルは殆んど効果が無いと発表した。当のファイザーを除外して、ロシュとグラクソの臨床試験データを解析した結果だ。科学的な根拠に基づいてタミフルが効かないことを立証し、かつ公表したのだ。結局インフルエンザの特効薬タミフルは、それを開発したファイザーが臨床試験データのいいとこ取りした結果に過ぎないことが分かってしまったことになる。薬の開発は秘密な部分が多すぎる。つい先頃日本でもノバルティスの高血圧症治療薬の臨床研究データ不正が騒がれたばかりだ。だが幸いにも今年の5月にコクランの日本支部が設立された。これを契機に是非とも製薬メーカーの情報オープン化とコクラン・ジャパンの活躍を期待したいものだ。
27日 9月 2014
カネボウ化粧品の白斑問題が発覚したのは去年の夏前だった。この時カネボウは事態が拡大した原因をクレーム担当者一人の判断ミスの所為にした。だが人為的なミスにしてしまっては問題は解決しないものだ。そこでこのブログで、カネボウの品質管理レベルの低さを指摘し改善方法も示した。ところが当時の社内資料が明らかにあり、品質管理以前の問題であることが分かってしまった。カネボウ中日本支社幹部会資料によると、被害者を慰謝料請求する地雷原と呼び、地雷は何処から出てくるか分からないので注意しろと言い、問い合わせた消費者をコンシューマーウイルスと形容している。更に発覚直後のマスコミを無差別報道と批判。問題が深刻化したのは、無差別報道と批判拡大にあると責任転嫁しているのだ。開いた口が塞がらない。カネボウは分解し、化粧品は花王に貰われていったが、体質は今でも変わらないと東洋経済が指摘している。カネボウの消費者無視体質は、ダイエーの仕入れ先虐め体質を思い出させる。いつまで経っても企業体質は変わらない。残された道は消滅しかないのかもしれない。
26日 9月 2014
これぞエンターテイメントというテレビを観た。MLBヤンキース対オリオールズ戦だ。今シーズンで引退するジーター選手にとって最後のヤンキースタジアムでの試合。全ての観客が試合中「デレク・ジーター」と声援を送り続けたジーター選手の引退試合だ。試合はまるで筋書きのあるドラマだった。黒田投手が8回まで投げ5-3のリードで、12勝目は目前。ところが9回表にクローザーが打たれ5-5となり追いつかれた。ところが9回裏ヤンキースの攻撃で、1死2塁でジーターが登場。見事に初球を一、二塁間に打ち返しサヨナラ勝ち。もし漫画であれば、やり過ぎと批判されそうなほどドラマチックな内容だった。選手も監督も観客も、そしてテレビ観戦者も、全ての人がジーター一点に注目していたのも凄いが、その重圧の中できっちり結果を出したジーター選手はもっと凄かった。終了後のインタビューでジーターは「試合内容を覚えていない。1回目の打席でガードを付けるのを忘れてた。2塁に走者がいないのにサインを出してしまった」と、如何に平常心が保たれなかったかを吐露していた。平常心に欠けても結果を出す。これがジーター選手の真骨頂だろう。「皆が自分にありがとうと言ってくれるが、自分は自分の仕事をしてきただけだ」という言葉が全てを物語っているようだ。
25日 9月 2014
毎年文化庁が発表する「国語に関する世論調査」が面白い。名詞や擬音に「る」や「する」を付けて動詞にする言い回しが広い世代に浸透しているとのことだが、確かにそうだ。60代後半の自分にとっても、チンする、サボる、お茶する、事故る等は日常語になっている。一方若い世代が使う、告る、挙どる、ディスる、タクるなどは、使ったこともないし、聞いたこともない。全く意味不明だ。若者が新語を創造し、年寄りは古い言葉を言い伝えるのが常識だから、チンする、などと言う年寄りは進んでいるのかもしれない。いや寧ろ言葉は進化するものと見るべきなのだろう。ところが大きな問題もある。慣用句の意味が間違って使われ、しかもそれが浸透しているという。「世間ずれ」を「世の中の考えから外れる」と解釈したり、「煮詰まる」を「議論が行き詰まり結論が出せない状態」と思う人の方が多くなっているという。これでは反対の意味になってしまい、言いたい事が伝わらなくなる非常事態だ。文科省は「国語教育に力を入れることにはやぶさかではない」と言うべきだ。はて文科省は積極的にするのだろうか、いやいやするのだろうか。
24日 9月 2014
気候変動サミットで、初めて米中が温暖化対策に少し前向きの姿勢を示したようだ。オバマは「米中には取り組みを主導する特別な責任がある」と言い、中国は「削減案を出来るだけ早い時期に示したい」と言った。中国は温暖化ガス排出量の世界1位で23%を占め、2位の米国は16%、何とこの2国だけで世界の総排出量の4割も占めている。今まで残りの少排出国が束になって規制を叫んできたが、この2大排出国は極めて非協力的だった。極めて歪んだ構図だ。だが近年の異常気象により立て続けに起きた洪水や干ばつで国民の不満が高まり、非難の的が自分たちに向かってきた。それで、やっと重い腰を上げたのだろう。しかし、ここで心を緩めてはならない。本来オバマは「今後は米中だけで解決する」と言うべき所をそうは言わなかった。政治家言葉では「責任がある」と「実行する」は同義語ではない。官僚言葉では「示したい」は「やらない」と同義語だ。両国の発言のニュアンスは変わったが、180度方向転換したのではなく、せいぜい20~30度程度に過ぎないのだと思う。言葉では何とも言える。今後の行動を見守るしか方法はあるまい。
23日 9月 2014
最近地震や山崩れにより、人が瓦礫の下敷きになる災害が多発している。瓦礫に埋まった人の生存確率は72時間が過ぎると急激に低下すると言われている。だが埋まった人を見つけ出すことは極めて難しいのが現実的だ。ところがNASAの研究者が、瓦礫の下敷きになった生存者をピンポイントで検知出来る装置を開発したとのこと。深さ12m半径30m以内の人の心臓の鼓動を30秒で検出出来るという。しかも、探す事が出来るのは人の心臓の鼓動だけで、木の葉の雑音やネズミなどには反応しないと言うから優れものだ。4年前のハイチ大地震をきっかけに、こうした災害現場で活用できる技術の開発を目指し試作機を完成したらしい。日本でもごく最近広島で山崩れにより多くの犠牲者が出た。地震も多いし雪崩もある。予測予防保全も大事だが、事後の救命も大切だ。一市に一台程度の常備があれば多くの人を救えることになる。但しこの開発は試作機段階であり、実用化のためには民間企業がライセンスを取得して製造・販売に乗り出す必要があるとのこと。NASAは民間企業の申し入れを望んでいる。是非とも日本がライセンスを取得して、日本全国だけでなく全世界に配布すると良い。それでこそ地震大国日本も浮かばれる。
22日 9月 2014
今日は晴れて穏やかな日だったが、昼前に突然突風が吹いた。ベランダに干してあった夏掛け布団が、2階の屋根まで舞い上がり何処かに飛んで行ってしまった。「羽毛だから良く飛ぶのよ」などと冗談を言いながら2階の窓から探したが見当たらず、近所を捜索することになった。早速カミサンと2人で近所の100m四方を探したが見つけることは出来なかった。そこで考えた。いくら軽いとはいっても、精々飛ぶのは20~30mだろう。とすれば隣家の庭が怪しい。隣家は300坪程度の敷地があり、我が家の2階から見ると死角が多い。カミサンが隣家の庭に入れさせてもらい、やっと布団を発見した。隣家がここに引っ越して来たのは10年前頃だが、話をしたのはこれが初めて。そう言えば、この辺の人は近所付き合いが殆んどない。町の悪い性質を持っている。いざと言う時は、近所の連携がものを言う。人間は顔見知りでも挨拶をしないと相手の存在を無視する動物だ。せめて明日からは挨拶に心掛けようと夏掛け布団が思わせてくれた。
21日 9月 2014
日経ビジネスに面白い記事が載っていた。幸せは加速度センサで測れるという。日立の研究者が、アンケートと加速度センサを組み合わせた実験を行った結果、幸せな人の体はよく動くので幸せは加速度センサで測れることが判明したとのこと。活気のある職場は業績も良い事、運の良さは高めることが出来ることもデータ解析から分かったそうだ。更に凄いのは、人間は熱力学法則に従って活動しているという事実を発見したことだ。人間がどれ位の強さの活動をどれ位出来るかというのが、分子の動きなどを表す熱力学の法則と同じ式によって決まっていたという事実だ。きっちり計画を立てても、無理があれば実行は出来ないのは誰しもが経験している。自分の意思の弱さを嘆くより、熱力学の法則通りだと思った方が気が楽になる。今後の計画も実行可能なものにし易くなる。この研究者は、今後は人間が問題を決め、仮説を作るのはコンピューターがやる時代が来ると言う。今まで分かってはいるが見えなかったものが、見える時代になりつつあるようだ。

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