米中が解決すべき温暖化対策

気候変動サミットで、初めて米中が温暖化対策に少し前向きの姿勢を示したようだ。オバマは「米中には取り組みを主導する特別な責任がある」と言い、中国は「削減案を出来るだけ早い時期に示したい」と言った。中国は温暖化ガス排出量の世界1位で23%を占め、2位の米国は16%、何とこの2国だけで世界の総排出量の4割も占めている。今まで残りの少排出国が束になって規制を叫んできたが、この2大排出国は極めて非協力的だった。極めて歪んだ構図だ。だが近年の異常気象により立て続けに起きた洪水や干ばつで国民の不満が高まり、非難の的が自分たちに向かってきた。それで、やっと重い腰を上げたのだろう。しかし、ここで心を緩めてはならない。本来オバマは「今後は米中だけで解決する」と言うべき所をそうは言わなかった。政治家言葉では「責任がある」と「実行する」は同義語ではない。官僚言葉では「示したい」は「やらない」と同義語だ。両国の発言のニュアンスは変わったが、180度方向転換したのではなく、せいぜい20~30度程度に過ぎないのだと思う。言葉では何とも言える。今後の行動を見守るしか方法はあるまい。